日本人間ドッグ学会や健康保険組合連合会は、血圧や肥満度などにつちえ、健康診断や人間ドッグで「異常なし」とする値を緩めると発表した。

健康診断の新たな基準範囲

学会は新基準を6月に正式に決め、来年4月から運用する予定

項目現行の判別値
(異常なし)
新しい基準値
収縮期血圧130未満88~147
拡張期血圧85未満51~94
性別男女とも男性女性
肥満度(BMI)25未満18.5~27.716.8~26.1
肝機能(ALT=U/I)0~3010~378~25
総コレステロール(mg/dl)140~199151~25430~44歳
145~238
45~64歳
163~273
65~80歳
175~280
LDLコレステロール(mg/dl)60~11972~17830~44歳
61~152
45~64歳
73~183
65~80歳
84~190

新基準の根拠

学会は2011年に人間ドッグを受けた約150万人のうち、たばこを吸わずに字持病がないなどの条件を満たす約34万人を「健康な人」とした。

そこから5万人を抽出して27の検査項目を見た。

その結果、従来は130未満を「異常なし」としていた収縮期血圧は、147でも健康だった。

85未満が「異常なし」だった拡張期血圧も94で健康だった。

肥満度をmる体格指数「BMI」も、男性で「18.5~27.7」、女性で「16.8~26・1」の範囲におさまっていれば健康だった。

コレステロール値については大きく緩和される。
現行の基準では特に閉経後の女性は高脂血症と診断されやすくなっている。

今後の課題

現行の基準は、日本高血圧学会など各専門学会が定めた診断基準をもとにしている。

日本人間ドッグ学会などは新たな基準を健診施設などで利用するよう働きかける。

今後5年間の追跡調査をして、病気発症との関連を調べる

同学会は、緩められる新基準の範囲におさまれば、薬を減らせる可能性もあるが、合併症などがあれば治療が必要という。

学会の理事は「糖尿病や腎疾患といった持病があるような人は、新基準の範囲におさまっているからといって安心せず、かかりつけ医に相談してほしい」という。
(朝日新聞2014/4/5記事より)

コメント

以前から、「総コレステロール」等の基準値が欧米と比べて厳しいことは指摘されていた。

欧米では一つ一つの基準値だけでなく、総合的に判断する。

ところが、日本の場合、一つ一つの基準値が厳しく、それが基準値からはずれているというだけで治療となる。

その結果、どうなるか?
基準値少し下げるだけで病人が増え、製薬会社が儲かる。

政府は健康診断の受診を進めるが、本来、病人でない人が薬漬けにし、医療費を増大させただけだ。

そもそも、基準値はどこまで正確なのかが不明。
数値は恣意的に何とでもなるからやっかいだ。

その問題はせておき、今回の基準値の見直しは政府の意向が働いていると感じる。

病人が減れば、医療費を抑えることが出来る。

恣意的に数値が操作されることは問題だが、医療費が削減されることは好ましい。

私の場合、今まで「異常」と判断されたいた健康診断の結果が全て「正常」の範囲に収まった。
常々、基準値には疑問を持っていたので、一歩前進である。