薄毛が気になってきたので「実録潜入ルポ~育毛物語」という本を読みました。口コミ&感想を披露いたします。

「育毛物語」の内容

著者は「ヘアジャーリスト」の双田譲治氏。
「ヘアジャーリスト」というのはよく分かりませんが、職業はフリーランスライターとなっています。

著者は分け目が薄くなってきた。
そこで「私、ハゲますか?」を確認すべく、主な大手サロン、医療機関を回った潜入ルポです。
取材とは断らないで1消費者として無料相談等を受けます。
そのやりとりが中々面白いです。
会話は全て録音して文字起こししたようです。

残念なのは本の出版が2005年10月なので今から約10年前の情報なんですね。
著者には最新情報をルポして欲しいところです。
又、著者は10年後、「ハゲたのか?」も興味があるところです。

ただ、10年前の育毛・発毛業界はどういう考え方でどうやっていたかは分かります。

現状と変わらないのは、いかにお客にお金を使わせるかを第一に考えているスタッフの姿勢ですね。
それでもお金を使って結果が出れば良いですが、結果が出なければ”ぼったくり”ですね。

本書はAmasonの口コミ評価では5つ星のうち 4.6と高評価です。
最近のレビューでは私と同様、「初版発行が10年前では、はたして参考になるか疑問です。」というコメントもあります。

育毛と発毛の違い

「育毛」とは「髪が生えるように努力すること」であり、現実には「毛が抜ける、毛が細くなる」のを抑制することを指し、
「発毛」は「髪が生える」ことが結果として求められる、
ということのようです。

通常、「育毛」はエステやサロン、「発毛」は医療機関になります。
エステやサロンでは医療(治療)行為はできません。

そこでエステやサロンが医療機関と連携したり、育毛、発毛の見込みのない方にはカツラを販売したりしています。

エステやサロン、医療機関での「育毛」「発毛」は効果があるのか?

著者はサロンの取材後、お勧めサロンの検討で入る予定であったが、サロンごとに診断がばらばらで、混乱してしまう。

この診断がばらばらなのは良心的なサロンと、何としても契約したい為、過剰に「すぐ始めないと大変なことになる」と脅かすサロンとの違いであろう。

エステやサロンが主張に共通する「育毛」の仕組みは次の通り。

共通するのは毛穴にたまった皮脂が抜け毛(薄毛)の原因になる。
そこで、その皮脂を洗い流す。
結果、薄毛が阻止される。

しかし、そもそもこの説は19世紀に立てられた誤った仮説であり、科学的根拠は全くない。

「シャンプー等に含まれる界面活性剤が皮脂を取り過ぎるのが抜け毛(薄毛)である」という説もあり、「シャンプーをやめると、髪が増える」という本が出版(2013年)されているほどだ。

著者も、日本毛髪科学協会や東大病院での取材において、「脂で髪は抜けない」ということを聞いている。
また、「洗い過ぎが問題」という話も紹介している。
既に10年前からあった見解のようだ。

となると当時のエステやサロンはむしろ、抜け毛(薄毛)を促すことをやっていたわけで、ひどい話である。

では、育毛剤、発毛剤はどうなのか?
これに関しても10年前の情報なので現状とはことなるだろう。

しかり、著書で取り上げられているリアップは現在もCMで頻繁に宣伝されている。
10年前と成分に違いはあるのだろうが、根強い人気である。

当時の日本毛髪科学協会の取材では「リアップにしろプロペシアにしろ、満足できるかなってレベルだと、1割からまあよくて3割、その程度」という話が紹介されている。

多少は効果があるというのが売れ続ける秘密のようだ。