「加熱式タバコは従来の紙巻きたばこに比べて有害物質が少ない」と加熱式タバコメーカーは宣伝してますが、本当でしょうか?
加熱式タバコとは?加熱式タバコと電子タバコの違いは?
そして、加熱式タバコの肺がんリスク、肺気腫リスク並びに受動喫煙(副流煙)のリスクは?加熱式タバコのメリット・デメリット(害)を徹底解説します。

加熱式タバコとは?

加熱式タバコとは、燃焼させずに加熱して使用するタバコのことです。
これだけでは分かりにくいので、加熱式タバコと一般的なの紙巻タバコ、及び電子タバコの違いを見ていきます。

タバコ

加熱式タバコと紙巻タバコの違い

今まではタバコと言えば、紙巻タバコのことでした。
それが、タバコの害が喧伝されるようになってから電子タバコが出てきました。

電子タバコというと、ニコチン0というイメージですが、実際はニコチンを含む加熱式タバコでした。
※加熱式タバコと電子タバコを合わせて新型タバコと呼んでいます。加熱式タバコと電子タバコの違いは後述。

さて、加熱式タバコと紙巻タバコの違いです。

●加熱式タバコ:タバコの葉を加熱してニコチンを含んだエアロゾルを発生させる
●紙巻タバコ:タバコの葉に直接火をつける

要は、加熱式タバコと紙巻タバコの違いはタバコの葉に直接火をつけるか、タバコの葉を加熱するかの違いです。

では、この違いによって健康上、どのような違いが生じるのか?
「加熱式タバコのメリットと害」については後述します。

その前に、加熱式タバコと電子タバコの違いを見ておきましょう。

加熱式タバコと電子タバコの違い

加熱式タバコと電子タバコの決定的な違いはタバコの葉を使うか使わないかです。

●加熱式タバコ:タバコの葉を加熱
●電子タバコ:フレーバーを含むリキッドを加熱

フレーバーとはタバコの香りに似せた匂いです。

匂い+蒸気の吸引でタバコを吸っている疑似体験を行えるのが電子タバコです。

もっとも、正確にはタバコの葉は使用されていないので、タバコとは言えません。

欧米では、電子タバコによる吸引をVAPE、吸引用具をヴェポライザーと呼んでいます。

法律(薬事法)上は、「電子タバコ」はニコチン0、タール0と決められており、タバコを含まなくても、ニコチンを添加することは認められていません。

次に加熱式タバコのメリットと害をみていきましょう。

加熱式タバコのメリットと害

加熱式タバコにはどのようなメリットと害(デメリット)があるのでしょうか?

加熱式タバコのメリット

加熱式タバコは、タバコ葉を燃やしてその煙を吸う従来の紙巻きタバコと比べると、燃やさないのでタールが発生せず、害が少ないと言われています。

実際、加熱式タバコの販売会社は、「加熱式タバコは有害物質が少ない」と宣伝しています。
※「加熱式タバコの有害性成分は紙巻きたばこに比べて90%低減」というメーカーも。

データによると、加熱式タバコは紙巻きたばこに比べて、ニコチンは84%、アルデヒド類は20~70%となっており、「加熱式タバコは有害物質が少ない」のは事実のように見えます。

加熱式タバコのデメリット

データ上は、「紙巻タバコに比べて加熱式タバコは有害物質が少ない」のは事実です。

しかし、喫煙者(タバコ依存者)は体内に吸収するニコチンの量の帳尻を合わせる傾向があります。

具体的には、「ニコチンの量が減った分、本数を増やす」ことで、今までと摂取するニコチンの量は変わらない、ということです。

ここに加熱式タバコの落とし穴があります。

加熱式タバコと肺がん

喫煙習慣は、肺がんの主な原因であることがわかっています。
欧米では、たばこを吸う男性の肺がんリスクは、吸わない男性に比べ、少なくとも10倍以上と非常に高くなることが報告されています。

また、「有害物質の量が少なければ毒性が少ないという法則は,タバコにおいては成り立たない」という専門家の意見もあり、加熱式タバコで摂取するニコチンの量が減少=肺がんのリスク減少とはならないようです。

加熱式タバコと肺気腫

慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎や肺気腫等)の最大の原因は喫煙です。
肺気腫においても、前述の加熱式タバコと肺がんリスク同様、ニコチンの量が減少=肺気腫のリスク減少とはならないと考えられます。

加熱式タバコの受動喫煙(副流煙)

「日本医学会連合」が開催した公開シンポジウムでは、「一度吸い込まれ、吐き出されたニコチンなどを含んだエアロゾルの一部は2~3メートル先まで拡散している。加熱式たばこでも周囲の人に健康被害を生じさせるリスクはある」との発表がありました。

加熱式タバコの種類

加熱式タバコを販売する主なメーカーとブランドは以下の3つです。

●フィリップ・モリス社:アイコス(IQOS)
●ブリティッシュ・アメリカン・タバコ社:グロー(glo)
●日本たばこ(JT):プルームテック(Ploom TECH)

アイコス(IQOS)

アイコス(IQOS)とは、「I Quit Ordinary Smoking」の頭文字を取って命名されたました。
※訳は「私は、通常の喫煙をやめる」。

アイコスは、現在日本で最も大きなシェアを持っており(約12%)、「加熱式タバコ」の代表と言えます。

グロー(glo)

アイコスは一本吸うごとに充電する必要があるのに対し、グローやプルームテックは、連続して吸えるのが特徴です。

プルームテック(Ploom TECH)

アイコスに比べて後発の為か、加熱式タバコの価格はアイコスの半分以下の設定になっています。

加熱温度による種類

加熱式タバコは実はメーカーやブランドの違いだけでなく、加熱温度によって2種類に別れます。

●高温加熱式:200℃以上
●低温加熱式:30℃程度

高温加熱式

喫味が強くなり、ニオイも強い。
アイコス、グローの加熱式タバコが該当。

低温加熱式

喫味が弱くなる一方、ニオイも限りなく弱くなる。
プルームテックの加熱式タバコが該当。

加熱式タバコで禁煙は出来るのか?

加熱式タバコと紙巻きたばこ・電子タバコの違い、加熱式タバコのメリット・デメリット(害)を見てきました。

加熱式タバコは、タバコの健康リスクを取りざたされ、タバコの消費が落ちたタバコメーカーが起死回生で販売を始めたものです。

タバコメーカーは「加熱式タバコは従来の紙巻タバコに比べて有害性成分は少ない」と宣伝していますが、有害成分の減少=健康リスクの減少ではありません。

また、加熱式タバコが紙巻タバコに比べてニコチン等が少ないのは確かですが、タバコは依存者は体内のニコチン量の帳尻を合わせる為、本数を多く吸う傾向にあり、結局、従来の紙巻きたばこと加熱式タバコの健康リスクはほとんど変わらないと言えます。

紙巻タバコから加熱式タバコに切り替え、禁煙を目指すのは得策ではありません。

禁煙を志すなら、電子タバコに切り替えるのがオススメです。
▶電子タバコについて詳しくは⇒電子タバコ[ニコチンなし]害はないの?種類は?禁煙できるの?【徹底解説】

禁煙にはリラックス効果のあるCBDリキッドもオススメです。
▶CBDリキッドについて詳しくは⇒CBDリキッドの効果・デメリット・吸い方・おすすめ高濃度CBDリキッド【徹底解説】