便秘に悩み、市販の便秘薬や下剤に頼っている人も多いのではないでしょうか?
しかし、食事や生活習慣を見直し、運動やマッサージをすることで多くは改善できるようです。
薬に頼らないで便秘を解消する方法とは?

便秘とは?

「便秘は一般的に3日以上排便がなかったり、1日の便の量が35g以下だったりする状態をいう。」

毎日ないと便秘かと思っていたが、そうではないようです。
逆に毎日、排便があっても量が少ないと便秘になるようです。

理想的な排便の量は標準的なバナナ1本分だと言われています。
標準的なバナナの重量は約100gですので、35gは約3分の1です。

「2010年の国民生活基盤調査によると、便秘の人は男性で2.4%、女性では5%。
高齢になるほど増える。」

以外に少ないですね。
感覚では男性で1割、女性で3割以上という感じですが。

「ベターホーム協会の調査(2000年3月、20~60代の女性399人に無記名アンケート調査)ですが、便秘に悩む女性は40.6%。とくに20~30代がほぼ半数を占めています。」

こちらの調査では4割。
こちらの方が実感的に近い気がします。

おそらく、便秘の捉え方の違いがこの数値の違いに現れているのではないかと思われます。

一般的には①「毎日排便がない=便秘」ですが、便秘の定義からいくと②「3日以上排便がないのが便秘(量にもよる)」になるので、「国民生活基盤調査」では②の観点から、数字を出したので随分と低い数字になっているのでしょう。

便秘の原因

「便を肛門まで押し出す腸の動きは、自律神経によってコントロールされている。
ストレスや睡眠不足などで、自律神経が乱れ副交感神経の機能が低下すると腸の動きが弱まり、便秘になりやすくなる。」

「また、排便を我慢することを繰り返すと直腸の反応が鈍くなり、便がたくさんたまらないと便意を感じなくなってしまう。」

「便を出したいからと、長い期間、下剤を飲み続けることも逆効果。腸に炎症が起こり、働きが鈍ってしまう。」

薬で無理やり腸のぜん動運動を促すと、腸は怠けるので、ますます便秘になる。
結局、より強い薬にしなければ効かなくなる。
悪循環だ。

薬には副作用がつきもの。
余程の時でない限り、薬に頼るのは考え物だ。

便秘の解消方法

順天堂大医学部の小林弘幸教授の「便秘解消の10か条」
1.食物繊維を多くとる
1日20gほど目安で、野菜や豆類のほか、わかめなどの海藻、こんにゃくに多く含まれる。
2.朝、水を飲む
腸の働きが活発になる。
3.便が出なくてもトイレへ1日1回行く
排便を習慣づける
4.規則的な食事
5.体を動かす
6.おなかのマッサージ
7.ストレスをためない
8.便を我慢しない
9.下剤に頼らない
10.専門医へ

[マッサージ等]
仰向けに寝た状態で左腹部と下腹部をそれぞれ両手で挟み、指で小刻みにおなかが少しへこむ程度、トントンと交互に押す。

次に両足を肩幅くらに広げて立ち、両手を広げて上体をひねる。
これらをそれぞれ1分間ずつ行う。

便秘関連の本

腸が健康になれば面白いほど人生がうまくいく 読む便秘外来」(集英社)小林弘幸 著
3分で便秘解消! 腸ゆらしマッサージ!: みんなの家庭の医学 (GAKKEN HIT MOOK たけしの健康エンターテインメント!みん)」(学研パブリッシング)水上健 著
(朝日新聞2014/8/30記事参照)