加齢性難聴は30代からゆっくりと進行する。
それ故、高齢者になって難聴であるにも関わらず、本人が気がつかないということが生じる。
さらに自覚していても補聴器を実際に使用しているのは、日本ではわずか14.1%というデータがある。
聞こえの改善は、人間関係を良くし生活の豊かさを取り戻す大きなきっかけになる。
そこで補聴器となるが、補聴器には色々と種類があり、何を選べばよいのか迷うところ。補聴器の選び方をご紹介します。

補聴器のタイプ

1.耳あな型
耳あなに収まるタイプ。音の聞こえが自然で目立たない人。
一人一人に合わせて作るオーダーメイドタイプが一般的。

2.耳かけ型
取り扱い易く、種類や性能が豊富で人気のタイプ。
ハウリング(ピーピー音)を防ぐものも増えている。

3.ポケット型
本体をポケットに入れ、イヤホンをつなぐタイプ。
本体が大きく、操作が簡単。
機種によって、かなり大きな音を出せるものもある。

補聴器の聞こえ方

補聴器の聞こえ面では、
1.周囲の雑音を抑え人の声だけを増幅するもの
2.正面など一定方向の音を特に聞こえ易くするもの
など高機能化が進んでいる。

日ごろの生活や音の好みに合わせて選びたい。

補聴器選びの注意点

補聴器、1人1人に合わせた細かな調整が必要で、家電品のように購入してすぐに使えるものではない。

また、聞き方のコツをつかむまではある程度の時間がかかることもある。
高齢の使用者だけでは記憶違いや確認し忘れが起こることもあるので、補聴器の購入に際しては、家族も一緒に正しい使用法や取扱いの注意点、保守サービスの内容、購入契約の条件などについて説明を聞くと良い。

身振りや顔の表情が見えるよう正面から話しかける、なるべくゆっくり話すなど、周囲の人たちの強力があれば補聴器の聞こえはさらに快適になるので「補聴器は家族も一緒に使うもの」という意識を持つことが必要だ。

補聴器の効果

補聴器で聞こえが良くなるのは当然だが、それにとどまらず、「補聴器を使い始めて生活の質が改善したと感じる人の割合が、本人以上に家族で高い」ことがアメリカの調査で明らかになっている。

購入前に試聴したり、しばらく借りて生活してみたりすることもできるので、聞こえが気になり始めたら気軽に補聴器を試してみると良いだろう
(朝日新聞2014/9/8記事より)