ドラッグストアなどで身近に買えるヘアカラーリング製品。
髪を好きな色に染められるという手軽さがうけているが、一方で染毛による皮膚のトラブルも多いようだ。
自宅でカラーリングする際のコツや注意点とは?
カラーリング製品は薬事法により「医薬部外品」と「化粧品」とに大別され、染毛のプロセスなどによってさらに細かく分類されている。
ヘアカラーとは?
広く使われている「ヘアカラー」は、医薬部外品のうちの「永久染毛剤」に分類される。
有効成分が毛髪の内部に浸透し、酸化反応を起こすことで発色するため「酸化染毛剤」と呼ばれる。
色持ちが2~3か月と比較的長いのが特徴。
また、酸化染毛剤には、髪の色素であるメラニンを脱色する働きもある。
化粧品
化粧品のうち「半永久染毛料」に分類される「ヘアマニキュア」や「酸性カラー」は、酸性染毛料という色素が髪の表面から内部に浸透することで染まる。
色落ちは2~4週間。
洗髪で徐々に色落ちする。
そのほか、顔料などの着色剤を髪の表面に付着させて一時的・部分的に髪を染める「ヘアマスカラ」や「カラースティック」などがある。
パッチテスト
安全、快適にカラーリングを楽しむためになによりも気をつけたいのが、かぶれなどのアレルギー反応だ。
主な原因は、ヘアカラーなどの酸化染毛剤の成分「パラフェニレンジアミノ(PPD)」など。
これらを含む製品は、使用前に薬剤を皮膚に塗って影響を調べる「パッチテスト」が必要と明記されている。
「植物原料100%」や「(人工物)無添加」をうたう化粧品(半永久染毛料】の中にも、パッチテストを求めているものがある。
皮膚トラブル
消費者庁のまとめによると、全国の消費生活センターや保健所などに寄せられた染毛による皮膚トラブルは、2010年からの4年間に計492件にのぼった。
頭部のかゆみや腫れ、ただれなどのほか、まぶたが腫れて人前に出られなくなった人もおり、うち73件は治療に1か月以上かかる重症だったという。
住吉皮膚科の院長は「かぶれたことがない人でも、ある日突然アレルギー症状が出る場合もある。かゆみなどの異常を感じたら、直ちに染毛をやめ、皮膚科を受診しましょう」と指摘する。
(朝日新聞2015/2/14記事参照)