昼寝(日中に仮眠)には作業効率を上げる効果があるという。
昼寝の効果的な取り方とは?

昼食後に眠くなるのは何故?

東京医科大学睡眠学講座の駒田准教授によると、「お昼ご飯後に無性に眠くなるのは実は人間の自然なリズム」だという。

人間は「概日リズム」と呼ばれる約24時間サイクルの体内時計を持ち、朝起きて夜寝る活動を繰り返している。

その半分の約12時間のリズムもあり、食事の有無にかかわらず午後2時ごろに眠気のピークがくるという。

昼寝の効用

この睡眠のピークが来る時間に短い仮眠を取ると、活動性が上がり、リズムが整って夜も眠りやすくなる。

逆に、眠いまま我慢すると午後の作業効率が落ち、うっかりミスにつながる恐れもある。

5分でも昼寝をした後は、判断力が上がったという研究結果もある。

また、膨大な情報の入り口である視覚をシャットダウンするだけで、随分と脳が休まる、という。

快眠セラピストの三橋氏によると、スペインでは午後2時頃から同4時頃に仕事を中断して、昼食後に昼寝を取る「シエスタ」の習慣がある。

また、米国ではビジネスマンらの間で、能率を上げるために短時間の昼寝を積極的に取ることが注目され、「パワーナップ」(「ナップ」は昼寝の意味)と呼ばれているという。

東京ガス都市生活研究所が昨年(2014年)に実施した昼寝の実態調査によると、平日に昼寝を「よくする」、または「時々する」と答えた人の割合は計41%。
40、50代の男性は約3割で低かった。
一方、休日は57%にのぼり、特に若い年代ほど高かった。

効果的な昼寝の取り方

昼寝の取り方にはコツがある。
大切なのは「寝過ぎない」こと。

昼寝が長いと、起きた後も眠気を引きずる「睡眠慣性」状態になり、かえって体がだるくなってしまうという。

熟睡に至る時間は年代差がある。
中高生以上の若者で約15分、その上の年代は約20分、お年寄りは30分程度。
昼寝はこの時間以内に収めるとよい。

昼目をしてから約8時間空けると、夜に寝付きやすい。
その為、夜の睡眠に影響しないようにする為には、午後3時までに取りたい。

また、これまで昼寝の習慣のない人でも、毎日だいたい決まった時間に目を閉じて休憩すると、短時間で浅い睡眠を取れるようになるという。

昼寝する際の姿勢だが、ごろんと横になるとリラックスできるが寝過ぎてしまう恐れがある。

そこで、ソファにもたれたり椅子に座ったりした状態で昼寝をするとよい。
お腹や腕を圧迫しないよう、机の上に枕やクッションを置いてもいい。
[t昼寝用枕]

また、昼寝前にカフェインが入ったコーヒーなどを飲むと、目覚めが良くなる。
眠れなくなりそうだが、カフェインの覚醒作用は20~30分後に効き始めるため、寝過ぎを防止し、目覚め後をスッキリさせる効果がある。

(朝日新聞2015/10/18記事等参照)