来年(2015年)3月に卒業する予定の高校生の求人倍率が、7月末(2014年)時点で1.28倍となり、リーマンショック前の2008年以来6年ぶりに1倍を超えた。(厚生労働省の発表)
景気回復に伴って仕事が増え、建設業などの一部企業で「人手不足感」が強まっているためと考えられる。

都道府県別の求人倍率

都道府県別で全国トップだたのは、東京都の3.74倍。
それに続くのが大阪府の2.05倍、京都府も1.85倍で4番目の高さ。

比較的大都市で倍率が大きく伸びたが、近畿や中四国でも1倍超が目立ち、すべての都道府県で前年同月を上回った。

とは言うものの、沖縄県は求人倍率が0.49倍、全国で最も低い。
今年から約2400万円の予算をかけて、就職活動の研修合宿を開いた。
高校生2200人を対象に、3泊4日で、面接やビジネスマナー、労働法規を学ぶ。

県教委の担当者は「全国に比べると厳しい。内定に向けて最後まで見守りたい」と話す。

高校生の求職者数

厚労省によると、来春卒業する高校生の求職者数は、7月末で前年同期比0.1%増の18万6千人とほぼ横ばい。

求人数が23万8千人と同38.4%も伸び、倍率を押し上げる。

1倍を超えたのは、リーマン・ショック前の2008年7月末時点の1.31倍以来。

業種別の求人内容

業種別でみると、作業員の不足が深刻な建設業の求人数が前年同期比50.6%増えた。

また、前年の伸び率が1ケタだった製造業も同37.5%増で、自動車などを中心に求人が増えた。

厚労省若年者雇用対策室は「復興需要に加え、輸出産業の業績回復で人手不足が全国に波及している」と説明する。
(朝日新聞2014/9/13記事より)

コメント

政府としては、求人倍率1倍超=景気回復とアベノミクスの成果を大いに宣伝したいところのようだが、人手不足の業種は偏っている。

1つは東京五輪や震災復興に伴う建設業界。
2つ目は円安誘導で輸出が有利になったことに伴う製造業界の増産に伴う人手不足。

全業種で求人が増えているわけではないので、求人と求職のミスマッチの問題は解決していない。

「景気回復」というのなら、実際に就職した就職率を出さねば、正確とは言いがたい。