就職活動で、多くの大手企業の採用が一段落した5月以降、学生には「ブラック企業」を選んでしまう危険性も高まる。ブラック企業を選ぶ背景・理由とは?

ブラック企業を選ぶ理由

学生がブラック企業に入る要因のひとつに「焦り」があるという。
事務局長は「5月以降は注意が必要だ」と指摘する。

就職情報会社「マイナビ」の調査では例年、上場企業の7割が4月末までに「内定」を出し始める。

都内の私立大の就職相談員によると、大学の求人票の利用が増えるのは毎年5月以降。

これが焦りにつながり、学生がブラック企業に入る要因のひとつになっている。

また、紹介する大学側にも問題がありそうだ。

大学側が就職率にこだわることが背景にあるとの指摘もある。
都内の私立大特任教授は毎月の会合で「ゼミ生の就職率を上げるように発破をかけられた」と明かし、待遇が悪くても就職先を紹介するよう頼まれたという。

ブラック企業を選ぶ学生

入社後にブラック企業だと分かるケースが多いが、学生がブラック企業だと承知の上、受験するケースもある。

今年(2014年)1月、就職情報会社「ディスコ」が就活生1650人に調査したところ、「場合によって」を含め含め、4割近くが「ブラック企業と思っても受験する」と回答した。
「気にしていたら選択肢が減ってしまう」「持ち駒は多いほうがいい」「就職先がなかったら仕方なく」が主な理由。

企業の「ブラック度」を測るポイント

・新規学卒社員の3年以内の離職率を公表しない
・従業員数に対して採用人数が多い
・残業代と基本給の額が具体的に分けられていない
・求人広告や説明会の内容が変わりやい
・短期的で管理職になることを求める記載がある
・すぐに内定が出る
・根拠なく「夢」「成長」などの聞こえの良い言葉を多用する
(ブラック企業対策プロジェクトの資料から)

大学の取り組み

昭和女子大は2013年11月、女性が働きやすい「ホワイト企業」の順位表を作った。
女性の平均勤続年数や定着率などを算出し、数値の高い企業を実名で公表する。
学長は「ブラック企業の見極めは難しいが、ホワイト企業を提示することはできる」と説明する。
(朝日新聞2014/4/30記事より)