就職活動では、多くの企業に挑戦しても、一つも内定が得られないこともある。
苦しい状況に陥った時、心の状態をどう保てばいいのか。
精神科医の香山リカさんに聞いた。

就職活動に不安

「就活は怖い」というイメージを多くの学生が持っている。

その全ては、「自分は誰からも必要とされない人間」と見なされることへの恐れにつながっている。

就活生は、対象がはっきりせず、先が見えないことへ「漠然とした不安」を感じていると考えられる。

これに対する対策としては、
「不安に思う項目を一つひとつ具体的に紙に書き出してみる」こと。

そうすれば、何が大学の相談窓口で解決できる悩みで、何が割り切って考えなければいけないことなのかが分かり、不安を小さくできる。

就活生の心構え

就活生は「自己分析」から取り組むことが多い。
こうした自己分析は、自分の適正や、長所、短所が分かって役立つこともある。

だが、簡単な自己分析で、自分がどんな仕事に就けばいいのかが分かるわけがない。
自己分析に縛られ、「私らしい仕事に就こう」と、かえって苦しんでいる人もいる。

私らしくない仕事に就いても、プライベートを含めて、トータルで私らしい人生であればいいと考えるべき。

就活中に落ち込んだら

面接でうまくいかなかったり、不採用になったりしても、運がなかったと、気持ちを切り替えよう。

「私(香山リカさん)も大学の入学試験で面接官をつとめるが、10~20分の短い時間で、相手の全ては分からない。」

心が折れそうになった時は、ずるずる就活を続けず、1ヶ月なら1ヶ月と期間を決めて、思い切って就活から離れるのも一つ。

読みたい本を読む、趣味のあう友達と遊び、そのうえで、何でもいいから、就活と関係のないことで、自分のよさを再確認してみよう。

自分のよさを見抜いてくれる企業といつか出会える。
就活はあきらめないで欲しい。
(朝日新聞2013/12/28記事より)
就職に有利な資格ランキング