厚労省が発表した2013年の国民生活基礎調査では、所得が少なく生活が苦しい人の割合を示す「相対的貧困率」は、厚労省が貧困率を算出した1985年以来、過去最悪の16.1%となり、前回調査(2009年)から0.1ポイント悪化した。

相対的貧困率とは?

相対的貧困率とは、世帯収入から子どもを含む国民1人あたりの所得を仮に計算し、真ん中の人の額(中央値)の半分(貧困線)に満たない人の割合。

子どもの貧困率

子どもの貧困率とは、18歳未満でこの貧困線に届かない人の割合を指す。
今回の調査では中央値は244万円、貧困線は122万円だった。

前回調査の0.6ポイント増の16.3%となり、「相対的貧困率」より悪化幅が大きく、こちらも過去最大だった。

子どもの貧困率悪化の原因

子どもの貧困率の悪化について厚労省の担当者は「(所得が低い)非正規雇用が多い母子家庭が、前回調査時の約70万世帯から80万世帯に増えたことなどが原因」と説明。

暮らし向きをたずねると、「大変苦しい」が全体では27.7%だったのに対し、母子家庭では49.5%だった。

経済協力開発機構(OECD)による加盟34カ国の相対的貧困率ランキング(2010年)によると、日本は2009年の数値(16.0%)でワースト6位となっている。
(朝日新聞2014/7/16記事より)

絶対的貧困率とは?

「相対的」貧困率というので「絶対的」貧困率もあるだろうと思い調べてみたらありました。

絶対的貧困率とは、必要最低限の生活水準を維持するための食糧・生活必需品を購入できる所得・消費水準に達していない絶対貧困者が、その国や地域の全人口に占める割合。
世界銀行では1日の所得が1.25米ドルを貧困ラインとしている。
絶対的貧困の基準は国や機関、時代によって異なる。(「デジタル大辞泉の解説」より)

コメント

「相対的」貧困率は今一内容が分からないのですが、「絶対的」貧困率は分かり易いですね。

問題は、厚労省は何故、「絶対的」貧困率ではなく、「相対的」貧困率という概念を使うのか?

恐らく、「絶対的」貧困率を言い出すと、絶対的貧困の基準に触れざるをえず、生活保護の施策(生活保護費)に影響が出るからでしょう。

では、何故、「相対的」貧困率と言うデータを出してくるのか?
それは、貧困格差が広がっていることを強調し、中間から上の層から所得再分配を進めようという目的(税や社会保険負担の増加)があるのではないでしょうか?