外国人技能実習制度について政府が見直しを検討している。
それは実習生が過酷な労働環境に置かれているという批判が根強くあるため。
今後は新法をつくり、賃金不払いゆあ長時間労働を減らそうと政府の関与を強める。
新たに公的な管理機関もつくる計画だが、今後は実効性が課題になる。

実習制度見直しの背景

実習制度を見直す背景には、実習生への賃金不払いや長時間労働などの不正が絶えないことがある。

厚労省によると、2013年に実習生を受け入れている2318事業所に監督や指導をしたところ、このうち約8割にあたる1844事業所で、残業代の未払いや長時間労働といった労働関連法違反があった。

管理体制

新しい管理機関を2015年度中に設立し、不正の取り締まりを強化する。

実習生を受け入れる全国に約2千ある監理団体に対し年1回、実習生を受け入れる事業所には3年に1回程度、受け入れ態勢に不備がないか調べるため、立ち入り検査を実施する。

新設の管理機関は本部に約80人、地方事務所13か所に約250人を配置する体制にする計画だ。

監理団体の許可や取り消しをはじめ、法律違反があった場合の告発など行政機関並みの機能を持たせる。

人権侵害などの被害にあった実習生を保護する役目も担う。

技能実勢制度見直しに関する報告書案の骨子

・実習生の送り出し国と日本政府での取決め作成を義務化する
・受け入れの管理団体を許可制にし、外部役員や外部監査を導入する
・監理団体の許可や立ち入り検査をする管理機関を新設する
・不正行為があった場合に備え、管理機関に通報窓口を設置する
・不正を申告した実習生の実習先変更を管理機関が支援する
・優良な受け入れ企業は現行の約2倍まで受け入れ人数を増やす
(朝日新聞2015/1/16記事参照)