将来の会社を背負う人材を獲得する為に、就職人気ランキング上位の有名企業の大半は学歴を重視している。
その為に、学歴フィルターなるものが存在する。
学歴フィルターとは?

学歴フィルターとは

学歴フィルターとは、説明会の参加などにあたって企業が大学によって差を付けることを指す。

具体的に下記のような手法である。

[例1]
説明会の定員100人に対し、80人を東大などのトップ校、残り20人を他の大学生に割り振る。

大学によって座席の「在庫数」は異なり、応募したくても席がないことがある。

[例2]
説明会の応募の前にも、大学名によって説明会の案内をメールで知らせる時期に差をつけることや、そもそも案内しない場合がある。

学歴フィルターの背景

1990年代後半から、「マイナビ」「リクナビ」などの就職情報サイトが登場したことで、学歴の使われ方が露骨になった。

誰でもどんな企業にでも簡単に接触できるようになり、人気企業には万単位の学生が殺到する。

そこで「選考の手間を省く為、企業は学歴フィルターを多用せざるを得なくなった」という。

それでは、企業にとって学歴はなぜ重要なのか?

「受験勉強をくぐりぬけてトップ校に合格した学生は、自分を律して勉強を続ける能力がある。それは入社後も使えるし、一定の評価をすべき。」という。

トップ校学生のみを紹介する企業

大学名など特定のニーズのある企業のために、採用活動を仲立ちをして、トップ校の学生だけを選んで紹介する企業もある。

トライフは、学歴フィルターをさらに絞り込む企業の採用を支援するベンチャー企業。

登録しているのは、ほとんど東大、京大、早慶、阪大、神戸大の学生で、約6千人。

8~9月ごろから「○○大学の学生を」といった依頼が届き始める。
登録学生から企業の望む人数を集め、12月から企業の説明会に参加してもらう。

企業からは学生数に応じた料金がトライフに支払われる。
「英語の試験TOEICで○点以上」等の条件がつく場合、料金は高くなる。

外資系コンサル、商社、メーカー、ベンチャーなど、有名企業100社以上が顧客で、その数は年々増加。登録学生も急増中だ。

独自の採用方法

一方、大学名だけでは測れない人材を独自の方法で見出す企業もある。

日本経済が「新興国頼み」の傾向を強める中で、グローバルに活躍できる資質を持った人材に注目が集まる。

国際協力機構(JICA)によると、JICAに寄せられた青年海外協力隊の経験者に対する求人は2013年度に2千件。
この2年で3倍に増えた。

ソフトバンクが2011年4月入社から始めた「ナンバーワン採用」では、何かの分野でナンバーワンになっていさえすれば、大学名や志望動機を問わない。

形式不問の書類選考とプレゼン、面接で採用を決める。

「1つの分野で頂に登った人は、困難に直面したとき、自分で考えて壁を乗り越えてきた経験がある。それは必ず企業活動に生きてい来る」というのが理由。

富士通も2011年入社組みから、同様の採用方法を始めた。
「接点のなかった優秀な層がくるようになった」という。
(朝日新聞2014/3/30記事より)