2月(2014年)の完全失業率(季節調整値)を総務省が発表。
前月より0.1ポイント下がって3.6%[数字:4%未満]になり、6年7ヶ月ぶりの水準。景気回復で仕事に就きやすくなっているためという。
有効求人倍率は1倍台に回復。
果たして、景気は回復していると言えるのか?

完全失業率

完全失業率は、15歳以上の働く意欲がある人のうち、職がなく求職活動をしている割合で、低いほど雇用環境がいい。

完全失業者数は前月より9万人少ない233万人。[数字:300万人未満]

働いている人と休業している人の合計である就業者数は前月より13万人多い6332万人だった。[数字:6000万人超]

有効求人倍率

有効求人倍率は、ハローワークで仕事を探す人1人につき何件の求人があるかを示す。

4ヶ月続けて1倍を超え、仕事を探す人数より仕事の数が多い状態になっている。

近畿の有効求人倍率&完全失業率

但し、有効求人倍率にしても完全失業者数にしても地域的にばらつきがある。

近畿2府4県の2月の有効求人倍率は6年3ヶ月ぶりに1倍台に回復。

職を求める人の数が、求人数を上回る状況が長らく続いていてきたが、景気の回復傾向で近畿の雇用情勢改善も節目を迎えた。

府県別でみると、大阪は前年同月より0.01ポイント高い1.10倍。
スマートフォンの部品が好調な製造業や、住宅工事などが増えている建設業で求人数が増えているため。
製造業の回復で貨物が増え、運輸業でも求人が増えた。

ただ、正社員の有効求人倍率だけをみると、0.78倍と依然、求職者数が求人数を上回る。
新規求人でも、非正社員が半分以上を占めている。

大阪以外の有効求人倍率は次のとおり。
滋賀:0.94倍/京都:0.98倍/兵庫:0.86倍/奈良:0.93倍/和歌山:0.94倍

近畿の2月の完全失業率(原数値)は4.3%。
前年(2013年)同月に比べると0.7ポイント改善した。
もっとも、全国平均(3.6%)にははるか及ばない。
依然、雇用環境は厳しいと言える。
(朝日新聞2014/3/28記事より)

コメント

政府としては、完全失業率の低下、有効求人倍率の増加を持って、景気回復をPRしたいところなのだろうが、実際は「景気回復」とは言いがたい。

2月に需要が拡大している業界は消費税増税前の駆け込み需要が大半。

しかも、求人の半分以上が非正規社員という。

これでは労働者に生活にゆとりは出ないので景気にはつながらない。

さらに、「有効求人倍率」というのが曲者。
マッチングは完全に無視されている。
旗違いの職種で働くのには無理がある。

社員の非正規化が進む限り、景気回復はありえない。