2008年秋のリーマン・ショック後から続いた学生に厳しい就職戦線が好転しそうだ。
大企業が新卒採用を増やすには業績が持ち直し、成長をにらんだ人材確保が必要になったため。
マイナビの就職情報サイトに採用広告を出す企業数は前年度より約5割多いという。

大企業の採用動向

【イオングループ】
流通大手のイオングループは400人増の3千人を計画。
アジアへの事業拡大に伴うもの。
国内では高齢者向け新商品を強化。
「開発にも新卒者をあてたい」という。

【トヨタ自動車】
「景気に左右されず、毎年一定の人数を採る方針は変わらない。」

インターンシップ

学生が就業体験できるインターンシップを行っている企業が増えている。
調査企業100社のうち、79社にのぼった。

学生を受け入れる期間では、4日~1週間以内が28社、1週間超~2週間以内が24社で続いた。

化学大手のテイジンは工場や研究施設で学生を2~3ヶ月受け入れる。
社員寮の空き部屋に宿泊してもらうコースもあり、「社員と同じ環境で、実際の働き方を学んでもらっている」。

2016年の就職活動

2016年4月に入社を予定するいまの大学2年生から、就職活動の日程が繰下げられる。

会社説明会は3年生の3月、選考活動は4年生の8月、正式内定は10月の解禁となる。
現行の日程に比べて3~4ヶ月遅らせる。

政府が昨年、就活の長期化が学業の妨げになるとみて、ルールの見直しを求めた。

ただし、新しい日程への変更は強制力のない自主ルール。
(朝日新聞2014/3/22記事より)

コメント

就職戦線が好転の兆しというのだが、景気が良くなっているとは感じられない。

アベノミクスによる株価上昇、円高により一部、企業や一部投資家が利益を上げている。
また、復興、東京オリンピック、消費増税前の駆け込み需要等が景気を押し上げているに過ぎない。

さらに、年金財政が苦しいので政府は支給年齢の引き上げ、そして、それに伴う定年年齢の引き上げを企業に求めている。

この中で、新規採用を増やすことはありえない。
イオングループが採用人数を増やすのは、アジアへの事業拡大に伴うものであり、国内で勤務する社員を増やすという考えではない。