12月(2013年)の失業率が6年ぶりのの低水準となり、有効求人倍率も3年連続で改善。
雇用は改善しつつあると言える。
ただ、その実態は非正規社員が中心であり、この傾向も今後も続くと言えそうだ。

完全失業率

2013年12月の完全失業率(季節調整値)は前月より0.3ポイント低い3.7%で、6年ぶりの水準に。(総務省の労働力調査による)

完全失業率は、15歳以上の働く意欲のある人のうち、職がなく、職探し中の人の割合。

12月は失業率の分子となる完全失業者が前月より20万人少ない241万人になり、結果として失業率が改善。

総務省は「年末で職探しをする人が一時的に減った面がある」という。

職のある人(就業者)の数自体は前月より4万人少ない6346万人と微減だった。

2013年の通年平均の完全失業率は前年より0.3ポイント低い4.0%と3年連続で改善した。

有効求人倍率

ハローワークで仕事を探す人1人に何人分の求人があるかを示す有効求人倍率は、12月の値が前月よりも0.03ポイントの改善。

製造やサービス、建設など幅広い業種で人手不足感が強まっている。

2013年平均も前年より0.13ポイント高い0.93倍と4年連続で改善した。

雇用の実態

求人状況を雇用形態別にみると、12月(2013年)の正社員有効求人倍率は0.66倍となった。

2013年1月は0.55倍で、2人に1人分の仕事しかなかった状況からは改善しつつある。

ただ、労働力調査で実態を見ると、12月の正社員数は3273万人で年初の1月より63万人減。

一方、非正規社員1967万人で144万人の増加だった。
雇用全体の約4割にのぼっている。

男女別では、男性の雇用者が2889万人で年初より7万人増える一方、女性は2352万人で66万人増えた。

女性では非正規が年初より90万人多い1338万人となっており、全体の雇用者数を増やす最大の要因になっている。

外国人労働者

国内企業で働く外国人労働者は、前年と比べ5%多い71万人で、2年ぶりに過去最多を更新した。(厚生労働省の2013年10月時点の調査による)

人手不足の中小企業が受入を増やし、留学生のアルバイトも増えたため。

雇用対策法に基づき、雇い主が届け出た人数を2008年から毎年10月末に集計している。
出身国籍別では中国が30万人(前年比3%増)で最多、ブラジル9万人(6%減)、フィリピン8万人(10%増)、ベトナム3万人(40%増)と続く。

就労先は、前年より6%増の約12万7千ヵ所と過去最多。
企業規模では従業員30人未満が半数超を占める。
業種別では、製造業が3分の1を占め約26万人。
人手不足が続く建設は約1万6千人だった。
(朝日新聞2014/2/1記事より)